2012年11月3日土曜日

修道院のお菓子(アルバ・デ・トルメス)

2日目は郊外のAlba de tormes  アルバ・デ・トルメスの修道院を訪ねました。
サラマンカからバスで20分あまり。着くとトルメス川から湯気がたっています。その幻想的な図。その朝は寒く、川との温度差からでしょう。その向こうにはかわいらしい村が朝の光を浴びています。


訪れたのはサンタ・マリア・デ・ラス・ドゥエニャス修道院。サラマンカ地域の司教さまから許可を頂き、この日は修道女との交流の時間を許されていました。


迎えてくれたのは年配の修道女お二人。お一人は出たり入ったりでしたが、83歳のマザー・コンソラションは、私と膝がつくくらいに座り、微笑み絶やさず、私の質問に丁寧に答えてくださいました。


色々なお菓子や料理の話がつきず、「次は何が聞きたいの?さぁ、なんでも聞いて」「あなたはアーモンドクッキーをどうやって作ってるの?私たちはこうよ」・・と、色々なレシピも伝授してくださり、その楽しかったこと。

温かい紅茶と一緒に持って来てくださったのがこの修道院ご自慢のアーモンド菓子。ガラピニャーダス。まだ作り立ての温かいものを持って来てくださったのです!ちょうどこの時間は「仕事」の時間でお菓子担当の他の修道女たちはいつものようにガラピニャーダスも作っていたのですね。「こんなふうに折って閉じるのよ」と紙の袋の包みかたも見せてくださいました。(焦って撮り、またピントが合っていない・・ぐすん)


1835年に修道女たちによって考案されたこのお菓子はこの修道院では特許もとり、販売しているもの。実はスペイン修道院のお菓子の中でも有名なんです。この作り方も色々説明してくださったけれど、そう簡単ではなさそうです。お菓子自体のレシピはアーモンドと水とお砂糖だけ、とシンプルですが、銅のボウルを使い栗の木のスプーンで力強く混ぜるのが大きなポイント。昔となにひとつ変わらない作り方で代々修道女から修道女に伝えてきたものだそう。「混ぜるタイミングとその力加減など、取得するのには1年以上はかかるのよ」とマザー・コンソラション。かといって、ベテランの修道女も年老いてしまうとこの作業は難しくなってしまうとのこと。。


できたてはサクサックとしながらもやわらかく本当に美味しかった。
これはなんとマドリッドの空港にも売っているとの事で、帰りにチェックしたら、確かに売っていました!

本当は関係者以外禁止だそうですが、特別にと中庭を見せてくれました。今は91歳の最年長修道女も入れて13人がこの修道院で暮らしているそう。見る事はできませんでしたが、内部の教会も歴史がありとても美しいものだそう。

写真の許可も得たので、撮ろうとしたら他の修道女が植木のお手入れに使っていたカートが!「どける?」とマザーに言われたけれど、83歳の彼女に動かしてもらうのも気がひけるし、私がそこまで入って良いのかも迷い、「そのままで大丈夫」と言ってしまったので、このとおり。。


この修道院ではガラピニャーダスの他に、ジェマス、アーモンドクッキーを購入しました。マザーの教えてくれたレシピ、味わってみない手はありませんから。そしてうれしいことにお土産に「天使の髪」の大きなジャムを頂いてしまった!

日本のお土産にはカステラと千代紙を渡したら、とても喜んでくださって、「みんなに見せたいけど、あ~中が見たいわ!」と包装紙を開く姿がまるで少女のようでした。

気がついたら、とんでもなく長居をしてしまい、3時間近くも話し込んでしまった!この時ばかりは別れるのがなんともさびしかったのです。。
また訪ねるチャンスがあればそんな素敵なことはないけれど・・せめて再会の日まで手紙のやり取りを続けられればと思っています。

帰りに寄ろうと思っていたもうひとつの修道院。間に合いませんでした。実はこの村は聖テレサが亡くなったところで、その修道院には今でも彼女の心臓と腕が残っていて展示されているそうなのです。急いで駆けつけたところ、ちょうど閉まる所でした。う~ん、残念!!聖テレサグッズをここで買う予定だったのに~~。。午後にはまた開くけれど・・
サラマンカに戻り、予定のバスに乗りパレンシアに向かわなければならないので、断念。。やっぱり今回の移動、レンタカーにするべきだったか、またもや後悔の念にかられるのでした。。でもでも、素敵な時間が過ごせたアルバ・デ・トルメス。マザー・コンソラション、どうかお体に気をつけて、美味しいお菓子を伝えて続けてください。


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